
「自分なくしの旅」みうらじゅん、読了。
映画「色即ぜねれいしょん」と「アイデン&ティティ」の間を埋める物語…って聞くと、スターウォーズのエピソード2と5みたいな(笑)。
映画はどっちも好きで、特に「アイデン&ティティ」は見れば見るほど心に響いてくる(それはツレアイokayanと私の関係に共通する部分を感じるからなおさらなんだろう)けれど、「自分なくしの旅」は、男の青臭さを目の当たりにして、共感というより興味深さが勝る感じに面白かった。
将来を考えなければいけない、でも本当にやりたいことをやるのは無理、夢を半分諦めつつも諦めきれず、でも一途にやる勇気はなく、かっこつけたり常識を考えたり、偽善的になったり露悪的になったり、目の前の欲望にはめっぽう弱く、見栄っ張りで弱虫でやさしくて自意識過剰、やるべきことをやれてないのに甘えている自分になかなか気づかない…気づかないふりをしている…。
自分もそうだった、青かった、そしているいる、こういう奴、いますよ(いっぱいいる)。
人生の道草を食いながら大切な何かを見つける、そんなことだってあるさ。
それは「本当の自分」なんかじゃなくって、やっぱり「愛」、愛なんだな。
自分をとことん無くしていったときに、本当に大切な愛が見えるんだろう。
私の嫌いな言葉の一つに「自分探し」ってのがあります。
あ、こんなこというと、たくさんの人を敵にまわしちゃうか!?
自分は今ココにいる自分、それだけだって思うところから、本当の人生が始まるんだよ。
今ココにいる自分に何ができるか、それが大切なんだよ。
池澤夏樹「カデナ」読了。
重いテーマであるのに、とても読みやすかった。
ベトナム戦争時の沖縄、日本でなくて日本である沖縄が舞台の作品。沖縄をこんなにも私は知らなかった、と思った。知ろうという気さえなかった、と今は分かる。沖縄という場所が私は好きだし、知りたいと思っている方だと思っていたけれど、沖縄の美しい顔に見とれて、その性格や性質や育ってきた環境を見落としていた気分。
戦争という大きな、なかなか手に負えない獣に、知恵と技で立ち向かう「普通の人々」。まさか自分がそんな大それたことができると思ってもいなかったのに、いつの間にか小さな知恵が集まって、大きな仕事を成し遂げていく。誰にも知られてはならない、報酬もない、個人の思想と理想に基づいたミッション。それは偽善なんかじゃできないこと。
本当に心から実現したいことがあるなら、地味でもできることからやるしかない。それは自分の考えで、自分の責任で、できることをやること。普段お店をやっていてよく思うのは「本当に実現したいことを実現するには、時としてやりたくないこともやらなきゃいけない」ってこと。平和のためなら時として危険を冒さねばならない、人を裏切らなければならない、嘘をつかなくてはならないように。
自分にできること、なんて、ほんの小さなこと。
だけど、それが時として大きな力につながることがある。
まずは、自分にできることをやる。自分の考えで、自分の責任で。それしかないんだな。




