2010年3月11日

「濁った激流にかかる橋」井伊直行、読了。

濁った激流にかかる橋 (講談社文芸文庫) 友人のM野さんオススメ、ということで借り受けた1冊。「読みにくいかも〜」と自信なさげでいらっしゃいましたが、いやいや、意外と読みにくいことはありませんでした。短編集、というか、「濁った激流にかかる橋」のかかる街と、この橋をとりまく物語の短編集?と言ったらいいのか、連作短編集、かな?非現実的のようで現実的のような、不思議な世界観に入り込んでいくのに、人によっては時間がかかるのかも知れない。でもなんとなく私は随所に感じるユーモアとアイロニーに、どちらかというと好感を持った。不思議な設定、不思議な世界、でも人のやっていることは不思議でも何でもない、共感できる営み。世界はひょんなことから変わってしまう、環境が変われば人も、文化も、みな変わる…ひとつの激流によって生まれる、様々なできごと…つきつめていくと、自分の存在や生き方が根本的に何によって動かされてきたのか…途方に暮れるような、気が遠くなるような。とにかく、だれだってしあわせになるために生きている、自分の力だけではどうしようもないこともあるけれど。