最近の読書から。

写真がもっと好きになる。<菅原一剛/ソフトバンククリエイティブ>
写真はもともと好きだった。
専門学校時代にあった写真の授業で一応の基礎も教えてもらったし、写真好きの友人に色々教えてもらったりもした。
で、その遺産だけでこの十数年、写真を撮ってきた。
いや、プランナーという職業をしていたときは、職業柄、撮影に立ち会ったりカメラマンさんと打ち合わせしたりも多かったので、普通よりは写真に触れる機会の多い人間だったのかも知れない。
わりと器用に写真を撮れる方だし、誉められることも多い。誉められると、もっと写真を撮ることが好きになる。
ずっと写真を撮ることが好きだった。
デジカメ、そしてインターネット、さらにはブログなどとの出会いによって、写真をもっと簡単に楽しめて、しかも発表できるようになった最近は、とても気軽に写真を撮るようになった。
でも、気軽に撮りすぎて、何を撮ったらいいのか分からないような気がしていたのも事実。
この本は、写真の目、ファインダーを通すことによって素敵になったり、記憶に残ったりすることの素晴らしさを思い出させてくれた。
そうそう、いいな、って瞬間を、心を込めて撮る。
それだけで良い写真ってできるモノだよね。
たしかに、写真がもっと好きになったような気がした。
「仕事とは自分を誇示する手段ではなく、自分と他人に対するギフト(贈与)であり、それが結果としてお互いを満たす。これは理想論だろうか?」
作者は言う。
それが単に理想論ではないことを、私は感じている。
私は自分の実力とか才能をひけらかすために料理という仕事をしているのではないし、「おいしい」と言ってもらえるのが私への最大のギフトだから、この仕事をつづけていられるのだと思う。
「贈り物は難しい。押しつけでは意味がないし、足下をみるなんてもってのほかだ。その人が欲しているけれど誰にも明かさずにいる、あるいは本人自身まだ気づいていない何かを、『これ?』といって差し出すことができたら、それは最高のギフトになる。<中略>その時、仕事に対して戻される言葉は「ありがとう」になる。」
「仕事には大きく二つあると思う。『ありがとう』と言われる仕事と、そうでない仕事だ。」
「仕事にないして、『素晴らしい』でも『面白い』でもなく『ありがとう』という言葉が返ってくるとき、そこには何が込められているのか。その先を大切にしたい。」
今の仕事をしていなかったら、これらの作者の言葉が、ここまでよく理解できたかどうか。まったく、私は今の仕事で、知らないうちに、たくさんのギフトを受け取っていたのだ。
単純な喜びや感動やお金以外に、色んな「気づき」を、私はこの仕事で得ることができた。
お客様からの「いつもおいしいごはんをありがとう」、という言葉、ギフトをいただいて、私はまた明日もごはんをつくるのだ。


