2008年2月15日

今年に入っての読書記録。

[ ミヤザキの日々暮らし。, 見た・聴いた・読んだ ]

今年に入ってからの読書、今年もなかなか快調なすべり出し。
というのは、読むペースというより、中身が、結構はずれなし。

ハルカ・エイティ (文藝春秋) 姫野 カオルコ
ハルカ・エイティ
80歳のチャーミングな女性。 この魅力的な女性に出会った時から、この小説が好きになってしまう。素直に、明るく、戦前戦中戦後を生きた女性の物語。

素直になるって、本当はすごく勇気のいることだ。 言い訳がきかない。
そして、好意を素直に受け取ったり、 好意を素直に表現したり、
素直に物事の良い面を見るって、 チャーミングになるってことなんだと思う。
ひねくれることの、なんと簡単なことよ。

それにしても地の文にたまに登場する姫野カオルコさん、
なんとなく私と考え方が似ているような気がしますよ、ええ。
「ツ、イ、ラ、ク」を読んだ時もそう思ったんだけども。

乳と卵 (文藝春秋) 川上 未映子
乳と卵
子供の頃、初めて生理について授業で聞いたとき
「え?! 生理って毎月あんの? しかも一生つづくの?!」
と驚愕し、愕然とし、暗澹たる気持ちになったことを思い出した。
女の子が少女になる、女になる、女になったその先はどこに行くのか? いつまでたっても女でいることは楽しいのか哀しいのか。そういうことを親子っていう形で描いているのだろう。

もっと長い話で、誰か一人にもっと焦点が当たっていれば、もっと違う風に読めるのだけど…歯がゆい感じ。 でもまあ、最近の芥川賞(アサッテの人、ひとり日和)作品の中では、一番良いような気がするな。

プラネタリウムのふたご (講談社) いしい しんじ
プラネタリウムのふたご (講談社文庫)
ここ最近、ずっと私の中でのテーマになっている「救い」。
誰にだって、救いが必要なのだ。 それがどんなかたちであったとしても。
救いは、プラネタリウムだったり、手品だったり、
手紙だったり、熊だったりして、人々の前に現れる。
神様は、いろんなかたちになって、人を救うのかもしれない。

僕とポーク (マガジンハウス) ほしよりこ
僕とポーク
誰もが感じたことのある疑問や 、こうだったらいいなという素朴な希望。
それらに誠実に向き合って生きる、この難しさと切なさ。
そして、しあわせ。
深い、深いぜ。

最後の2ページだけの漫画も好き。
鳥が電線にとまっているのを見ると、つい、考えてしまう。

映画篇 (集英社) 金城 一紀
映画篇
映画が、ときには小説が。
人を救う。
これって最高だ。

「それができる状況にあるってだけで、才能はあるんだよ」
「才能っていうのは力のことだよ。
 でもって、力を持っている人間は
 それをひけらかすために使うか、
 誰かを救うために使うか、自分で選択できるんだ」

私はリトル・スター・レストランという場所にいて、料理を作っている。
人をもてなしている。
それは、そういう才能があるってことなんだと。
そういう力があるってことなんだと。
そう信じて、謙虚に、人を救う仕事がしたいと、切実に思っています。


抱くことば (イースト・プレス) ダライ・ラマ14世
抱くことば
何気なく開いたページに、心に残る言葉がある。
きちんと言葉と向き合うと、しみてくる言葉の数々。

「無関心、ことに他人に対する無関心は
 最悪の欠点の一つです」

「本当の愛と執着を区別しましょう。
 前者は、理想的には何の見返りも期待せず、
 状況に左右されません。
 後者は、できごとや感情次第で変わります」

「宇宙が存在するかぎり、意識が存在するかぎり、
 私も存在する、助けるために、仕えるために、
 私にできることをするために。
 こんなふうに考えると、人の内面は強くなり、
 自信が生まれます」

今年最初に読み終えた本が、この本であって本当によかった。
悩める後輩にプレゼントした本。